抜毛症は心の病気 ~私のトリコチロマニア体験記~

イジメが原因で毛を抜く癖がついてしまった私の話

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現在34歳、専業主婦です。

私はストレスが原因で髪の毛を集中的に抜いてしまう人間でした。あちこちに500円玉くらいの大きさで剥げていました。

いつの頃からか毛を引き抜いてしまう癖が……

きっかけは小学1年生の時に転校し新しい学校で卒業までいじめを受け続けたことだろうと思っています。

いじめの原因は些細なことでした。制服を転校先の学校のものにかえることが間に合わず、転校前の学校の制服で数日通っただけなのに、1人だけ制服が違うことは小学生にとっていじめのかっこうのネタだったのです。

始めはからかわれていただけでしたが、次第にエスカレートするいじめに対して、私はへらへらと笑うことしかできず「やめて」という声が出せない、そんな人間でした。

そして小学校4年のころ私は神経性胃炎にかかります。

休みたいと親に告げても「がんばりなさい」の一言で休ませてはもらえず、毎日胃薬を持ってお腹を抱えて登校をしました。

そんな毎日のなかである時私の勉強机の上になぜか抜け毛が沢山落ちていることに気づきました。

自分でも信じることが難しいのですが、どうやら自分で自分の髪の毛を抜いているようでした。多分、小学校4年生のころから私は自らの髪の毛を抜き続ける様になってしまったのだと思います。

それからいじめがひどかった日、異様にむしゃくしゃした気持ちを発散できない日、そんな時に自分でも意識できるくらい1日中頭をいじり髪の毛を抜き続けるようになりました。

それでも子供の私はいじめと髪の毛を抜くことがイコールとしてつながっていませんでした。

そしてある時同級生に「はげてるよ!!」指をさされました。

しかも少し笑いながら大きな声で言われました。

死にたくなるほど恥ずかしかったです。

同じ場所ばかり抜いてしまう状態でしたので当然禿げていき、鏡を覗いてみてみると小学生の女の子にしたらそれはそれは可哀そうな状態でした。

でもどんなに指摘されても、どんなに恥ずかしい思いをしても抜くことが止められない、禿げている面積が増えるにつれて親にもバレるようになりました。

そして私が髪の毛をさわろうとしたら、「だめでしょ!!」ときつく怒られるようになったのです。

その時の私は「髪の毛を抜くこと」=「私にしかない変な癖(性癖)」=「いかがわしいこと・はずかしいこと」と考えていました。

それでも止めれることができない私は、せめて剥げていることがバレないように、抜く場所を定期的にかえてみたり、外にいる時は剥げている場所が隠れるように髪の毛をくくってみたりと試行錯誤を繰り返しました。

その状態が25歳くらいまで続きました。打ち明けていたのは見つかってしまった親と付き合っていた当時の彼氏だけで友人には一切話をしていませんでした。

「抜毛症」という病気を知る

年齢を重ねるにつれて、何より辛かったのは美容院です。

自分で髪を切ることはできないので、どうしても行く必要がでてきます。

でも大体の美容師さんは禿げている場所をみると手が止まるのです。

中には少し笑う美容師さんもいました。

だから当時は前髪だけは自分でなんとか切って年に1回美容院に通えたら良いほうで1回行った美容院は2度と行かないということが自分のルールでした。

そして時々友人に剥げていることを指摘されました。もちろん友人は心配して聞いてくれているのですが、自分で抜いたなんて口が裂けても言えず「円形脱毛症かなぁ」と笑うことで精一杯な毎日でした。

そんな毎日に大きな変化が起こりました。

ある日携帯ニュースをチェックしていたらTVの特集か何かで「抜毛症」という聞きなれない症状を特集したという記事を見つけました。

読んでいくとそこに書かれていた体験談の内容は、当事者は子供で、ストレスを抱え、髪の毛を抜き続け、剥げていくことに愕然としながらもやめることができない、そして抜こうとすると親に強烈に怒られる……その話の中にはまさに私自身がいました。

私はその文書を読んで泣きました。

悲しかったのではなく「抜毛症」というきちんとした名前があること、私だけの変な性癖ではないこと、そしてなによりも、「こんな状態に悩んでいるのは私だけじゃないんだ」という事実に救われた気持ちで涙が止まりませんでした。

ずっと長年隠し続けてきたことから解放される気持ちでした。

心の負担が減ったことで前向きになれた

実はこれまで、私は病院にはかかっていませんでした。

だから100%抜毛症と診断をされたわけではありません。

だけど私と同じような症状になり悩む人がいるんだ、私だけじゃないんだという事実を知ることができただけで私の心は一気に変化をしました。

一番の変化は、抜毛の量が一気に減ったことでした。気持ちが安心したということもあるとは思いますが、両親や友人に「私は抜毛症かもしれない」と打ち明けることができたことが大きなきっかけだったと思います。

髪の毛を抜くことと上手に付き合える様になり数年後私は結婚をしました。

旦那は私と同じ様に髪の毛ではなく顎のひげを自分で抜かないと気持ち悪いと感じるという人で、その話を聞いた時は運命かなと思いました。

お互いそんな癖がついてしまったきっかけは違うかもしれませんが「抜かないと気が済まない」という気持ちが私には手に取る様に分かるのです。

今は旦那の顎のひげをプチプチ抜くのは私の役目となっています。

顎のひげを抜いているおかげか気が付いたら全く自分の髪の毛を抜かなくなりました。

これが他に抜毛症に悩んでいる人でも有効かどうかは分かりませんが、少なくとも抜毛は無意識に行ってしまう癖なので、何か別の事に意識を向けることが出来るようになれば自然と治まってくるのではないでしょうか。

むしろ精神科とか皮膚科などで薬を出してもらう方が良くない気がします。何故なら薬を出されることでことさらに「病気なんだ」と意識してしまうからです。

ただでさえストレスで内向的になることでかかってしまうと思われる「抜毛症」なのに、そこに「あなたは鬱病です」と言わんばかりの抗うつ剤などを処方してもらってどうなるというのでしょう。

余計に「自分は鬱病なんだ」とマイナス思考に陥ってしまって良くない気がします。

そう思った私は一切の診察をしませんでした。そして実際に私はこの癖を無くしています。「旦那の髭を抜く」という他の行為に意識を向けることが出来たからです。

ただし、本来旦那の髭も、そもそも気軽に抜いていいものではないのです。色々な肌トラブルを誘発してしまいますし、精神的にもあまり良くないと思います。

やはりこれも抜毛症の一種ではあると思うので、今は旦那と一緒に何かほかに集中できる趣味を見つけて打ち込むことで、抜毛症を克服しようとチャレンジしているところです。

既に抜き続けてしまった部分は集中して白髪になってしまっています。

きっと頭皮に沢山のダメージを与えてしまったんだろうなと思っています。長い間苦しみましたが、たまたま見た携帯ニュースがきっかけで大きく人生が変わった様に感じます。

これからは子供時代に苦しんだ分、大好きな人と隠し事をすることなく暮らしていきたいと思っています。

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